Tomogiruberuto Kinjo
Director
EC事業部 部長
Tomogiruberuto Kinjo

 

 

 

 

 

 

INTERVIEW
成功体験を捨てる勇気

これまで、どんなチャレンジをしてきましたか?

2012年の入社当時を振り返ると、エムールは日本製寝具が主軸の会社でした。クラッセ、ルミエールなど今でもご愛顧をいただいている日本製布団にとにかく集中していましたね。日本製布団をECで日本一売る会社なんだと自負していましたし、お客様からの「インターネット通販でこんなに良質な布団が買えるんだ」というたくさんのレビューは、本当に励みになっていました。この最高の布団を、日本全国にすぐに届けたい!と考えて、注文いただいた日にお布団を届ける、「布団当日便」というサービスを開始したり、一日3商談を繰り返してたくさんの種類の寝具をつくったり…どうしたら日本製寝具が売れるか、毎日考えていました。

今、どのように振り返っていますか?

今思えば、成功体験の中でしかチャレンジしてなかったですね。あの時は最適だと思っていましたが、ECサイトもどんどん増やして、商品もどんどん増やして数万種類になってしまって(笑)とにかく増やすことが当時のドライバーだと信じてやっていました。結果、伸び悩んだ時期もありました。生産面では、生産のグローバル化が寝具業界でも起こりましたし、メーカーが直接ECにチャレンジする事例も増えました。ECも時代とともに変化があって、面を広げるほどに販売促進コストが乗算的に増える構造になりました。環境は大きく変わりつつあったのに、当時は布団という一カテゴリ内で商品の幅を広げることに注力していました。

転換点はあったのですか?

はい。2018年頃からの物流費の大幅値上げですね。社内では物流クライシスと呼んでいますが、大きな転換点でした。これまで最高だと思って深堀してきた日本製布団が物理的に運べる運賃ではなくなってしまった。単なる改善だけでなく、お客様のためにどう価値をつくるか改めて見つめ直すきっかけになりました。

日本製布団は生産者の方々と二人三脚で圧縮方法や材料選定を試行錯誤し、寝心地と配送コストのバランスをとることに手を打ちました。平行して、圧縮配送と寝心地の両立が可能なマットレス開発に着手し、世界で生産する体制構築を急ぎました。同時期に、モノだけでなく睡眠をテーマとしたコト開発もスタートしました。どれでも大きなチャレンジで、2018年からの数年間は濃密でスピーディーな毎日でした。

現在はどんなことにチャレンジしていますか?

品質管理です。エムールの商品は、もともと不良率が低かったことで、これまで問題視していませんでした。ただ、ブランドとして確立していくには、もっと品質管理レベルを上げていかなければならないと考えています。品質管理専任部隊が立ち上がり、メーカーの皆様からご協力をいただきつつ、走り始めました。これは、エムールがブランドとしてお客様からご評価いただくために、着実に効果があるはずです。また、前述の広げることに集中した自分自身の実体験が反面教師にもなっています。

エムールが寝具業界で行った最初のチャレンジは、ピンク・ブルー・花柄が当たり前だったところに、ブラウンやオレンジやネイビーといったカラーを持ち込むことでした。業界全体が持っていた成功体験を捨てて、新たな挑戦をしたからこそ、今があるのだと思います。だからこそ、私たちはこれからも成功体験を捨てる勇気をもってチャレンジを続けていきたいと思います。そのためにもまずは成功させなければです(笑)エムールの商品品質はこれまで以上に高まっていきますので、楽しみにしていてください!